津波の被害

【概要】

東北地方太平洋沖地震によって発生した津波により、東北地方から関東地方の太平洋沿岸では深刻な被害を受けた。

地震が発生した約3分後の14時49分に、気象庁は岩手県、宮城県、福島県の沿岸に大津波警報を、その他の全国太平洋沿岸などに津波警報・津波注意報を発令。その後、警報・注意報は拡大し、15時30分には岩手県から千葉県までの区域で10m以上の津波を予想した。

津波は、地震発生約25分後の15時1分に岩手県に到達。その後、北海道から千葉県・房総半島にかけての広い範囲に大津波が押し寄せた。

 

【津波の高さ】

津波の高さ

※注 津波により岸壁の水中や陸上部に設置された検潮所や巨大津波計が破壊されたため、津波の高さは推定値

検潮所の測定データによると、15時18分に岩手県大船渡で8.0m以上、15時25分に宮城県石巻市鮎川で7.6m以上、15時26分に岩手県宮古市で8.5m以上などが記録された。これらの東北地方の検潮所は、その後は観測データを送信不能になったため、後続の波はこれより高くなったと想定される。

浸水高では岩手県釜石市両石湾で18.3mを記録。岩手県陸前高田市や宮古市、宮城県南三陸町や石巻市など15m以上まで浸水した町も多い。

斜面を上った高さを示す遡上高では、宮古市重茂姉吉地区で日本観測史上最高の40.5mを記録した。東北大の分析では、津波が北上川を河口から約50㎞の地点まで遡っていたことも判明した。

津波の測定

日本気象協会資料より

 

【津波による浸水】

津波による浸水があったのは6 県64 市区町村で、浸水範囲面積の合計は561km2。一番広い範囲で浸水したのは宮城県の327km2で、これは仙台平野を中心とした低地が広範囲に浸水したことによる。名取川沿いでは内陸6kmまで浸水した。ついで南相馬市と相馬市に甚大な被害を受けた福島県の112km2、岩手県の58km2となる。

国土地理院 浸水範囲概況図

 

【三陸地域の過去の津波】

三陸地域では、過去にも地震による津波で大きな被害を受けている。

  最大遡上高 津波の特徴と被害状況
1896年
明治三陸地震
8.2 38.2m 死者:21,959名(日本での津波災害史上最大)
地震動があまり感じられなかった。地震発生から約20分後に津波が来襲した。
被害の大きい三陸海岸は、V字谷に海が迫っている地形であるため、津波が湾奥の集落をのみ込んだ。
1933年
昭和三陸地震
8.1 28.7m 死者・不明:3,064名
強い地震動が感じられた。第二波が最大で家屋の一部に被害が出た。
被害の大きい岩手県田老では、津波により全362戸のうち、358戸が流失した。

内閣府資料より